既存住宅状況調査技術者の求人・募集と仕事内容
住宅業界に関わっていると既存住宅状況調査技術者という言葉を耳にすることも増えてきたのではないでしょうか。この資格や仕事内容に興味を持っていろいろ調べるなかで、当サイトにたどり着いた人もいるでしょう。
建築系の比較的新しい仕事、職種として注目を浴びている既存住宅状況調査技術者の仕事内容や実際の求人・募集情報を紹介します。
既存住宅状況調査技術者とは?
2017年に既存住宅状況調査技術者講習制度が創設されましたが、これは、中古住宅(既存住宅)の建物の診断を行う技術者(専門家)を育成することが目的で、この講習を修了したものが既存住宅状況調査技術者です。
つまり、既存住宅状況調査技術者とは、中古住宅の診断を行う技術者ということです。
このことについて、もう少し詳しく解説します。
既存住宅状況調査技術者講習制度
既存住宅状況調査技術者講習制度とは、国土交通省に登録された講習実施機関が行う既存住宅状況調査技術者講習登録規程(平成二十九年国土交通省告示第八十一号)に規程された講習で、2022年8月現在で以下の5つの機関があります。
- 一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会
- 公益社団法人 日本建築士会連合会
- 一般社団法人 全日本ハウスインスペクター協会
- 一般社団法人 日本木造住宅産業協会
- 一般社団法人 日本建築士事務所協会連合会
この講習を修了した者が、既存住宅状況調査技術者です。
既存住宅状況調査技術者には建築士資格が必要
既存住宅状況調査技術者は、既存住宅状況調査技術者講習制度に基づく講習を修了した者ですが、もう1つ大事な要件があります。それは、建築士であることです。
つまり、誰でも既存住宅状況調査技術者になれるわけではなく、国家資格である建築士であることは必須です。少しハードルが高くなっています。
建築士にも種類がありますが、一級建築士・二級建築士・木造建築士のいずれでも問題ありません。ただし、二級建築士や木造建築士には対応範囲の制限があります。
建物状況調査
宅地建物取引業法の改正で、不動産会社から売主や買主へ建物状況調査について紹介し、希望に応じて紹介・斡旋の可否を告知することになりました。この改正された宅地建物取引業法は、2018年4月より施行されています。
この建物状況調査を実施した場合、その調査結果は取引前に行う重要事項説明の対象となりますので、その重要性がわかりますね。
この建物状況調査を行う者が、既存住宅状況調査技術者です。既存住宅状況調査技術者が、既存住宅状況調査方法基準(平成二十九年国土交通省告示第八十二号)に従って行う調査です。
建物状況調査は、ホームインスペクション(住宅診断)の一種ですが、完全に同じというわけではありません。建物状況調査の内容は既存住宅状況調査方法基準で規定されていますが、ホームインスペクション(住宅診断)は国の法規や告示では規定されておらず、少し広い意味で用いられていることが多いです。
言い換えれば、建物状況調査は、ホームインスペクション(住宅診断)の一種と言えますが、建物状況調査より詳しい診断をしたり、逆に一部の調査に限定して行ったりすることも、ホームインスペクション(住宅診断)と呼ばれていることがあるわけです。
ホームインスペクション(住宅診断)の方が広い意味で用いられているわけです。
既存住宅状況調査技術者の仕事内容
主な仕事内容は、中古住宅(一戸建て・共同住宅)の建物の劣化状態を確認する調査です。
現地で基礎・外壁・軒・屋根・壁・床・天井・小屋裏・床下・設備(建具を含む)の状態を確認するのですが、小屋裏や床下はオプションとしていることが一般的です(物理的に進入不可の住宅も多いため、依頼者が選択できる方が理に適っている)。
ただし、現地で調査するだけではなく、その結果を報告書としてまとめるのも大事な仕事です。よって、現地調査とオフィスワークの両方のスキルが必要です。
特に買主からの依頼である場合、調査結果を購入判断やリフォーム・メンテナンスに活用できることから、お礼を言っていただけることも多く、やりがいを感じられる仕事です。
建築士として活躍してきた経験と知識を活用し、消費者から感謝の言葉をもらえるなら、嬉しいことですね。
現在の既存住宅状況調査技術者の求人・募集
既存住宅状況調査技術者は、建築士によっては講習を修了すればなれるものですから、それほど難易度は高くありません。しかし、修了後、安定的に業務依頼を受けていくのは容易ではありませんし、仕事がなく更新せずに辞めていく人は非常に多いです。
2003年より、つまり講習の制度が出来上がるよりもずっと以前から、ホームインスペクション(住宅診断)を全国展開するアネストでは、全国で広く既存住宅状況調査技術者を募集しています。
主に住宅購入者を対象として、消費者に役立つ住宅診断を行うことで、売買の当事者や住宅・不動産・建築業界に貢献したい人、これまでの専門的な経験や得てきた知識を活用したい人は、既存住宅状況調査技術者の求人・募集情報をご覧ください。
既存住宅状況調査技術者は、中古住宅の診断に活用されるものですが、アネストでは、中古住宅以外に新築住宅のホームインスペクション(住宅診断)も行っております。
地域によって、正社員や外部パートナー(独立系の設計事務所)を募集しています。